しばらくぶりの更新です。米国のバランスシート圧縮が経済に与える影響を考慮して、早めにリスク資産の圧縮を行い、リスクオフトレードも手仕舞ったために、大きなポジションもなくなっていたために投稿を控えておりました。
そろそろ次の展開を想定しながら、とるべき戦略をいくつかを考えていこうと思います。
米国の利上げはあと何回か?
まず現在の状況です。米国長期金利は、2.862%(7/17現在)と3%を一旦超えてから、もみ合っています。
米国長期金利(国債10年)
Fedによると、年内あと2回、来年3回、3.25%まで上げると自己申告していますが、実際にどこまで実行できるのでしょうか。現在の物価水準はすでに2%を超える水準で推移しており、原油価格もOPECの価格上昇圧力により高止まりしている状況です。サウジALAMCOの株式公開を睨んでこのまま高く推移させたいのではないでしょうか。
原油価格
さらにトランプ政権の保護主義政策は、国内の物価上昇圧力になりうるので、インフレ率の観点からは、抑制のため利上げは継続するものと思われます。ただし、原油価格はピークに近いと考えているので、米国だけがインフレ加速とういう状況にはならないと思います。
一方で、景気ですが中国などの新興国には陰りが見えてきました。米国自身の個人消費もやや減速している中では、年末あたりから景気の減速を実感する事態になると想定します。
従って、利上げは年内あと2回+来年1回で終了するのではないかと想定します。つまり、来年の年始あたりから、経済の減速感が強まる事態をメインシナリオとします。
リスク資産の状況は?
米国株式
日本株式
先進国の株式は、2月の急落以降、大きなボックス圏を形成しながら、現在高値圏まで回復してきました。新興国の状況などからすると、いまだ高いと言わざる負えません。米国企業の中でも、FANGと呼ばれる巨大新興企業の業績がよいために、株式市場全体の警戒感を緩めているのではないでしょうか。
では、急落に備えて弱気ポジションをとるべきなのでしょうか。現在の3%以下の長期金利やFANG企業の業績を考えると、今すぐ急落するという状況ではないでしょう。利上げ最後の局面でそうした事態を想定すべきだったと反省しています。
金価格
インフレ率が上昇する中で、有望を思われがちな金ですが、短期金利の上昇スピードの方が大きいため、実質金利は上昇しているために下落しています。金が上昇するのは、短期金利の上昇スピードが、インフレ率を下回る局面になると思いますので、Fedの利上げが終了するタイミングになるのではないでしょうか。
為替
では、実質金利の上昇で動く資産は、ドル通貨です。ところがドル円ではそれほど大きくドル高となっていません。
バランスシート圧縮による資金移動は、確実に新興国からの資金の還流を促していると思います。トルコ、アルゼンチン、中国では通貨安が進んでいます。
バランスシート圧縮によるリスク資産からの回帰が調達通貨である円の買い圧力を支援していることが要因なのではないでしょうか。
利上げ停止に向けた戦略
メインシナリオとした来年に起こるであろう利上げ停止を目標にいくつか戦略を考えてみます。
- 株式の空売り
- ドル売り
- 金の買い
まず株式の空売りの前提条件としては、長期金利が3%を超える水準まで上がっていること、価格が十分高いことしたいです。あくまで空売りは”ショート”期間としたいので、これは状況を見ながらエントリーしたいと思います。
同様に、ドル円通貨のドル売りも株の下落による円高とタイミングが同じになりますので、基本ドル安目線でタイミングを見てポジションを取ることにしたいです。
金の買いは、利上げ停止となる状況までは、下落または横ばいになると思われます。まだ早いのではないでしょうか。
さて、米国株式の下落、ドル安円高の両方の影響を受けるのが日本株式です。さらにトランプ政権の保護主義による中国経済の影響を受けるのも日本ですので、タイミングを見て日本株(日経平均先物)の売りを入れていくのが、効率的かもしれません。
ポジションを取った場合には、ご報告したいと思います。