イギリス議会選挙

イギリスのメイ首相は、4月18日にもともと2020年に予定されていた総選挙を前倒しで行うと表明し、6月8日の実施を決定しました。

メイ首相は、「イギリス政府はEU離脱という国民の意思を実現しようとしているが、議会はバラバラだ」として野党等を批判。離脱を成功に導く強力な政権を作るため、選挙を行う必要があると強調していました。

EUとの離脱交渉で大変な時期に総選挙を行うことを回避するために、約束を反故にして、今回選挙を行うわけです。

当初、労働党コービン党首の人気が全くなく、与党保守党の圧勝が見込まれていましたが、メイ首相の打ち出した政策がまったく不評で、自らこける形で支持率を落としています。

選挙の結果、現在より大きく議席を増やすことができれば(3分の2超)、EUに対抗する上で、強力な政治基盤を持つことになりますが、現状程度の議席となった場合、政局運営が困難になります。約束を反故にして、勝てると踏んだ選挙で辛勝というのは相当にダメージが大きいと思います。

YouGovによる世論調査によると保守党と労働党の支持率は、42%38%となっており、4月には20%の差があったものが急激に縮小しています。昨年のブレグジットの経験から世論調査も気合が入っているのではと思います。

シナリオ

保守党が圧勝した場合はポンド高、円安、株高と想定しています。フランスの大統領選挙と同じような反応ですね。一方で辛勝もしくは敗北した場合は、ポンド安、円高、株安を想定します。

四月以降、ポンドは反発して1.3 GBP/USDをうかがう水準にありますので、圧勝した場合よりも、辛勝または敗北の場合の方が、反応が大きくなるのではないかと思います。ポンド売りで臨みたいと思います。

6月の利上げはあるか?

6月13日~14日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が行われますが、4回目の利上げの確率は依然高いと言われています。しかしながら米国長期金利は中々上昇してきません。

FOMC議事録で、「1~3月の経済の落ち込みが一時的だとわかる証拠が出るまで利上げに慎重になるべきとの意見が多く出ていたこと」などが背景だと思われます。

個人的には今週の雇用統計がある程度の水準であったなら、FEDは利上げに踏み切るのではないかと思います。この一連の利上げは、景気・物価よりも金利正常化を目指したものであるからです。

長期金利が3%程度になるまで、または超長期債の発行が具体化するまでは、株式市場に大きな急落はないと考えていました。しかしトランプ政権のロシアゲートによる不透明感に伴う減税・インフラ投資の進展の遅れから、市場の期待を支えるのは困難になるのではないでしょうか。

仮に利上げが見送られても、景気減速に対する警戒感が高まり、現在、高値圏にある株式市場は調整を余儀なくされる可能性があります。

市場が調整した場合には、大きく上昇している銘柄の下落が大きくなるものです。そうした理由から、半導体関連ロングと自動車株のショート、米国株式のAI関連のロングを手仕舞いたいと思います。

人口知能(AI)

そうしたわけで現在のポジションは、日本株のロングだけとなってしまいました。これはバイオ株なので、もちろん市場の影響は受けますが、個別の材料がいつ出てくるかわからないため、長期の成長に賭けて保有していきます。

しばらくは、年後半の戦略についてじっくり考えていきたいと思います。またご報告します。

第一四半期日本GDP

トランプ大統領のロシアへのISISに関する機密情報漏洩問題や司法介入により、弾劾へ警戒が高まってきました。インテリジェンスの扱いに関して本当に素人ということを露呈してした形です。減税などの経済政策の進展の遅れから、米国株式も大きく下落し、円高が進んでいます。VIX指数も過去最低水準にあり、株式市場に対してかなり楽観が支配していた状況でのこのニュースですから、大きな調整のきっかけになるかもしれません。もっともトランプ大統領が弾劾された場合、ペンス副大統領がかわりに務めることになりますから、トランプ大統領よりも議会のコントロールはうまくできるのではないでしょうか。この問題は改めて検討してみたいと思います。

日本GDP速報

内閣府が2017年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値を発表しました。依然、世界経済のドライバーは米国経済だと考えていますのでそれほど重視してはいないですが、一応概観してみようと思います。

GDPは、5四半期連続のプラス成長の2.2%。事前予想(1.8%)を上回りました。牽引役は、個人消費と輸出。ただし名目成長ではマイナス0.1%とまったく実感のない景気ということが言えます。

個人消費は、0.8%、輸出は、1.4%の高い寄与、昨年来の円安や活発な海外経済が大きく貢献したようです。政府支出や住宅投資は相変わらず振るわず。設備投資も振るわなかった。

個人消費の高い貢献は意外でした。生鮮食料品の価格高騰の一服が消費者心理のプラスに寄与したのかもしれません。しかしながら賃金の伸びが見られない中で、高い伸びの継続には疑問が持たれます。やはり輸出だのみといったとこでしょうか。つまり為替レート→米国金利→米国経済の動向に左右される展開に変更はないと考えています。

自動車株とFA・半導体製造装置関連株

年始よりポジションをとっておりましたFA関連株と半導体製造装置株のロングと自動車株のショートですが、このうちFA関連株のロングと自動車株のショートの一部をクローズしました。FA関連株の目標に達したことと自動車株の2018年業績見通しが発表されたことが、クローズの理由です。

人手不足!

ポジションは複数の銘柄で構築していますが、代表的な銘柄で株価を振り返ってみます。

どちらかというと自動車株のショートが利益をもたらしてくれました。自動車株は米国の金利上昇が、自動車ローン金利の引き上げを通じて下方圧力を増すとの考えからです。先週、トヨタは来期もコンセンサスを超える減益予想を発表しましたが、株価は大きく下げませんでした。株価に織り込まれてきていたということもポジション解消の理由の一つです。

米国の経済指標は、遅効性のある雇用統計以外鈍化を示すものが増えてきていますが、依然、6月の利上げ確率は75%程度織り込まれており、利上げの可能性は高いと思われます。自動車株の停滞はまだ続くかもしれませんので、半導体製造装置株のヘッジとしての部分は残しています。

有機EL、3D-NANDの本格化に伴う半導体製造装置のピークはまだ来ていないと考えていますが、業績のモーメンタムが鈍化するまで、または高値を更新しているNASDAQが5%以上の調整をした場合にはクローズしようと思っています。

米国のAI関連は今だ強気で保有していきます。

人口知能(AI)

2017年5月FOMC

5月3日、FED(連邦準備制度)はFOMC会合を行い、政策金利の維持を決定しました。政策の維持は予想どおりです。問題となるのは現状の景気の認識がどうのようなものかということでしょう。70%程度織り込まれている6月の利上げを示唆するものになっているでしょうか。

第一四半期GDPどおりの声明文

発表された声明文の内容は、「実体経済は減速したが、労働市場は改善を続けており、失業率は減少している。個人消費の勢いは強くないが、消費を支えるファンダメンタルズは強固。企業投資は強まっている。」となっており、第一四半期のGDPの結果をほぼなぞったものとなっています。6月のFOMCでは、今後何もなければ利上げをしますよっというニュアンスではないかと思います。この結果を受けて市場はやや金利上昇、為替はややドル高へと動きました。

ファンダメンタルズは強固?

GDPでの高い雇用コストの伸びが、消費を支えるファンダメンタルズは強固と言わしめていると思われますが、金利上昇の悪影響による自動車販売の鈍化にみられるように、それほど強固だとは思えません。GFC(グローバル・フィナンシャル・クライシス)によってゆがめられた季節調整のアヤがどの程度影響しているかわかりませんが、それほど楽観していられるものではないと思います。第一に企業の投資活動の上昇は、原油価格上昇の影響が大きいと思われるます。原油相場は現在50ドルあたりで安定していることから、さらなる投資活動の活発化は期待できないのではないかと考えています。

市場は利上げを織り込みに

昨日、オバマケア代替法案が下院で可決したというニュースがありました。これにより減税策が前進するという期待も盛り上がることになるでしょう。また、フランス大統領選挙の討論会の結果、マクロン候補の優勢が確実化したとの報道も市場にとっては前向きなものです。今晩の雇用統計次第ですが、おおむね6月利上げに向けて市場は強気を維持し、ドル円もドル高に推移していくのではないかと見ています。

利上げと政策の切れ目

したがって現在の米株のロングは維持しますが、あえてここからドル円のロングを持つのはリスクが高いと考えています。対日貿易赤字が拡大し、ロス商務長官が「米国はもはやこの膨張した貿易赤字に耐えられない」と表明しているからです。日本を名指しで批判しており、不均衡の是正を理由に2国間協議へ圧力をかけたとみられます。

6月利上げから減税策が具体化する8月以降の期間は、危険な期間になる可能性が高いと考えていますので、6月利上げに向けてリスク志向が高まる局面では、その後のリスクオフ志向見据えてポジションをとって行きたいと思っています。