株価急落

株価が世界的に急速に下落しています。きっかけはやはり米国長期金利の急騰でした。米国長期金利が3%に迫る中で、好調な雇用統計を受けて金利が一段高となったところで、リスクオフの動きとなりました。

S&P500

日経平均

たびたびFRB議長の交代の前後では、株式の急落が起こってきました。今回もまさにそのタイミングとなってしまいました。

なんとかリスクオフポジションはギリギリのタイミングで作ることができましたが、バイオ銘柄のロングは、この急落の影響を大きく受けています。他のロングポジションは手仕舞っていますが、少し甘くみていました。何より、大きな暴落はそもそも想定していませんでした。

昨日のNY市場の動きを見ていると数分間で何百ドルも動くという、いわゆるフラッシュクラッシュが観測されました。AIなどを使ったプログラムトレーディングの弊害なのでしょう。

今後の見通し

この急落により、パウエル新議長に注目が集まることになります。絶好調の経済状況が背景にあるため、利上げペースを緩和するとはなかなか言えないのではないでしょうか。長期金利がどんどん上昇している状況が続けば、そういった緩和姿勢をみせることは可能でしょうけれど、それはまだ先の話になるのではないでしょうか。

この下落が落ち着いたあとは、長期金利の動向をみながらのレンジの大きなボックス相場になっていくのではないかと考えています。

米国長期金利の急騰

注視している米国長期金利の上昇ペースが上がってきました。リスクオフへのターニングポイントとしている3%まで、20bp程度となっています。このままでは年前半の早いタイミングでタッチするかもしれません。

シナリオとしては、

長期金利の上昇→リスクオフ→金融引き締めを緩和

といった流れを想定していますが、リスクオフ局面で慌ててリスクオフポジションをとっても遅いかもしれません。既に株式市場でもバリュエーションの高いハイテク株がもたつき始めており、一方で逆にバリュエーションの低い資源、金融株がしっかりしています。

従って、リスクオフフェーズへのポジションをとるタイミングとしてはいい局面と判断しています。株式の空売りには早いタイミングですので、現時点では、バリュー株のロング+グロースの株ショート、ハイイールド債のショート+資源株のロングを開始しようと思います。

クローズのタイミングは、長期金利が3%を超える水準に達するまでとします。株式が大きな調整をするときは、バリュー株もグロース株も同様に売られますから、それまでにクローズしておきたいです。

2018年の見通し

しばらくの間、投稿しておりませんでした。あまりにもPVが低いために虚無感にさいなまれ、モチベーションの持続が困難であったわけです。

だが、しかし、本来、自身の運用の備忘録としての一面もありましたので、初心に帰って書いておこうと思い直しました。

 

ポジションの動き

さて、年末の動きですが、パウエル氏のFRB議長決定、米国減税法案可決などがありました。米国の長期金利上昇によるドル高、株式の調整を警戒し、ドルの買い持ちとしていましたが、実際に長期金利が上昇したものの、ドル安が進んでいます。

ポジションは事後報告になりますが、減税法案可決を受けて反対売買し、薄利であるものの利益確定いたしました。

本来、レパトリ減税はドル回帰からドル高に向かうと予想されますが、織り込み済であることや、世界経済がIMFの上方修正にみられるように、非常に好調であることが背景です。

世界経済の好調さは、原油価格の上昇にみられるように、資源価格にも現れており、もはや米国だけが好調という図式が変わりました。

もう一つの理由は、金価格の上昇です。本来は実質金利(名目金利-インフレ率)に反比例するはずですが、金利上昇と同時に金価格も上昇しています。この背景には、FRB議長の交代、トランプ大統領のアメリカ第一主義への疑念から、ドルへの信認が低下していることの証左かもしれません。

以上のような理由により、ドル買を撤退いたしました。一方で、金利上昇により株式のポジションは、バイオ関連株のロングを残して保有しておりませんでしたが、ここにきてバイオ関連株も米国での買収事案の頻発により、資金が流入してきています。

ドル円チャート

米国長期金利

ドル建て金価格

ドル建て原油価格

 

2018年のキーファクター

昨年から長期金利の上昇が株式の調整を促し、ドル高をサポートすると考えてきましたが、今年もやはり、長期金利の水準がキーだと思います。現在、2.66%という水準ですが、短期金利の上昇のわりに低く抑えられています。

FEDはドットチャートで年3回の利上げを示唆していますので、世界経済が順調に推移していく中では、3-4回の利上げは見込めると思います。そういった中では長期金利の上昇と株式市場の上昇が同時に進行するという状況が生まれています。

米国のレパトリ減税、ECB、日銀による金融緩和継続が、FEDのバランスシート圧縮を凌駕し、過大なキャッシュの行き先として、株式、ジャンク債、新興国へと流れていくのではないでしょうか。

そして、リスク資産からの資金逃避が始まる長期金利の水準は3%程度と考えています。

米国S&P500 チャート

日経平均チャート

投資戦略

強気相場の最終局面では大きく伸びるものですが、この水準から株式で大きく勝負することは危険だと思っています。もちろん大きな収益を生むチャンスでもありますので、小型株やテーマ株の値幅は大きなものになるでしょう。その点では現在保有しているバイオ株もターゲットになってきますので、このまま保有を継続していこうと思います。

従って、米国長期金利が3%以内である年前半は、小型株&テーマ株ロングを中心に行い、リスクオフの動きの中で真っ先に売られる資産の空売りの準備をしたいと思います。

今のところ、ジャンク債、新興国株式、高いバリュエーションの株式などが候補になると思います。タイミングとしては、トランプ大統領の手つかずの政策であるインフラ投資の具体化やFEDの利上げを想定しています。

今年は、経済学者でないパウエル新FRB議長の真価が問われるのではないでしょうか。

 

2017年9月FOMC

9月20日、FED(連邦準備制度)はFOMC会合を行い、政策金利の現状維持、また「バランスシートの圧縮」については10月より行うことを決定しました。同時に将来の利上げを示すドットチャートは、年内1回、2018年は3回との見方を示しています。また、最近の弱いインフレの状況が年内には消える公算が大きいとの見通しを示しました。全般的にややタカ派的な発言であり、これを受けて米長期金利は上昇し、ドルが強含みました。

ドル円は、ここしばらく弱い米国のインフレ指標による長期金利の低下とともにドル安となり、北朝鮮のミサイル、核実験問題のたびに弱含む展開が続いていました。

トランプ政権と民主党

ようやく北朝鮮問題への感応度が低下し、トランプ米大統領が、ハリケーン「ハービー」の救済措置と債務上限の3カ月引き上げを一本化する民主党案への支持を表明したことにより、トランプ政権の減税、インフラ投資への期待が高まり、ドルを押し上げることになりました。

これは小さな政府を標榜する共和党保守派との決別を示した可能性があり、大きな転換となるかもしれないと思っています。なぜなら大きな政府が好きな民主党と手を握るということは、選挙公約である減税とインフラ投資の実現性が高まるからです。共和党保守派に対しても大きなプレッシャーを与えることになります。

ポジション完成

とにかくドル円の水準が112円に戻ったことは素直に喜びたいと思います。ドル円のポジションも計画通り完成しました。北朝鮮のミサイルのおかげで買いコストも低くすることができました。今後は、トランプ政権の減税の行方がどうなるかを注意深く見守っていきたいと思います。

株式市場は?

当初、バランスシート圧縮開始による金利上昇圧力から高値圏にある株式市場は、調整が必要となると予想して、ポジションを落としました。しかしながら弱いインフレ指標の影響から米国長期金利はむしろ低下し、昨日のタカ派的なFOMCの結果に対してもダウは高値をい更新してみせました。考えている危険な金利水準(2.7%程度)まではまだ距離があるので、株式の調整は先延ばしされていると考えています。株式に関しては、しばらくウォッチを継続したいと思います。

ポジションの点検

北朝鮮のミサイル・核実験をめぐって、金融市場が動揺しています。米国債券市場では10年債金利が低下し、為替もドル安に振れています。株式市場もレーバーデー明けの5日に200ドル超下げるなどしています。

ドル円

バランスシート圧縮を睨んでドル円の買いポジションを保有していますが、評価損を抱えた状況となっています。目標ポジションの50%程度の保有中なので追加のポジションをどうするか検討してみます。

そもそも今回のドル安は、米国のインフレ率が低迷する中で、FEDの態度がハト派的なものになってきたことが大きなものでした。これにより米国の金利も低下しています。

インフレ率の低迷は、処方箋、携帯電話のプランの分野での一時的なもので(クリーブランド連銀メスター総裁)、商品市況の動向などを見る限り、いずれ上昇圧力がかかってくるものと思います。

また、FEDがバランスシート圧縮を先延ばしする状況でもないように思います。ただし、ハリケーンの影響がどこまで拡大するかが懸念しています。経済の停滞をもたらすような大きな被害になるようですと、金利の低迷は避けられないからです。

ただしこのことは、債務上限問題について政権と議会の合意を促すということから、中立ではないかとも思います。債務上限問題が暗礁に乗り上げれば、米国国債の格下げを通じて、リスクオフの結果、逆に国債金利が低下することになると考えられるからです。

市場は現在、長期金利2.09%、年内の利上げ確率25%程度となっており、かなり市場はハト派に傾いています。この点でもうすでに上記の懸念は、織り込み済であると思えるので、むしろ地政学リスクでリスクオフになった場合には、ポジション積み増しの機会と捉えたいと思います。

株式市場

バランスシート圧縮に伴う金利上昇を見越して、株式の調整を予想しましたが、思わぬ金利低下により株価は持ちこたえています。金利の上昇が先延ばしされた分、株価もボックス圏で動くと想定しています。また、地政学リスクによる下落は、買いのチャンスではないかと思います。

電気自動車関連

中国での電気自動車の普及や日産の新型ノートの発売から、電気自動車関連の業績も動いてきました。株価も急騰、調整を繰り返しながら、順調に上昇しています。ただし株価が急騰している銘柄は、一部売却も行いたいと思います。