アメリカの中央銀行である連邦準備制度(FED)は、金融政策決定会合であるFOMCを開催した。政策金利を0.25%引き上げ、政策金利を2.00%-2.25%とし、今後の金融政策の指針であるドットチャートでは、前回3回としていた来年の利上げ回数を2回に修正した。
市場は利上げは織り込んでいたものの、よりハト派的(より引き締めに対して柔軟)な態度への転換を期待していたために、急落する結果となった。
米国株式(S&P500)
市場が望んでいたのは、利上げ回数の減少といった程度のものではなく、利上げの停止、バランスシート圧縮の停止の可能性まで踏み込んだものであったのではないだろうか。
むしろパウエル議長は、バランスシート圧縮の方針は変わらないとしており、記者からの質問に答える形とはいえ、火に油を注いだ形となった。
また、FOMCを受けて長期金利が低下したため、ようやく為替もドル安へと動いた。
円ドルレート
米国国債10年金利
米国株式の急落、円高を受けて日本の株式市場も当然のように下落している。
日経平均
ようやく今年8月から始まった株式の弱気戦略が利益を生み出してきた。米国長期金利が3%を超えたところで最初の売り建てを行い、高値更新する中で淡々と積み増しを行ってきた成果が現れてきた。得られた経験としてはピンポイントでの天井を的中することは困難であるが、天井圏であるということが予測できているかどうかが重要であるということだろう。その中で短期的な含み損に怯むことなく、市場環境を見定めていくことに集中したことが良かったと感じている。
今後の方針
現段階では、FEDにバランスシート圧縮の停止の意思がないことが、確認できたことから、当面はこの弱気相場が継続して行くのではないだろうか。今後、利上げ停止→バランスシート圧縮停止というアクションを市場がせがむように下落すると想定している。当面、日本株の売り建て、ドル円の売り建てポジションはキープしていきたい。
下値の目途としては、株式市場が大きく下落してバリュエーション上割安な状況、例えばバフェット指数で1を割る状況(株式時価総額/名目GDP<1)となる水準が目標かもしれない。現在の水準から20%程度下落する必要はあるが。