株価20数年来の高値とFOMC

日経平均がとうとう高値を超えた。20数年ぶりのことらしい。もっとも米国の株価は高値を更新している状況であるし、ドル円レートも年初来の高値まで上昇しているのだから当然と言えば当然ではある。(今回から「ですます調」はやめます。きりっ!)

日経平均

米国株式

ドル円レート

このような「20数年ぶりに高値を更新した」というニュースが流れることによって、市場参加者の認識に強気バイアスがかかるために、より強気が強化されるサイクルとなっていく。ドル円レートと株式市場が互いに自己強化サイクルを強め、米国の金利上昇も米国景気の良い証拠であるととらえ始める。

最終的には、市場関係者の発言が、「急ピッチの上昇による多少の押し目はあるものの、ファンダメンタルズは強く長期的には上昇するだろう。」などの強気?派が多数を占めてくるのだろう。

やはり相場のピークを当てることは困難なことと痛感している。ただし重要なことは「天井が近い」という認識があっているのかどうかであり、ピークをあてることではない。そのために売りポジションを細かく積み上げいくのである。今回も予定どおり積み上げを行った。

相場が天井をつけるとき

今まで大きな相場をつけるときは、必ずしも下落のきっかけは景気などの実体経済ではない。ブラックマンデー、アジア通貨危機、テックバブル、リーマンショック、etc。今回は何がきっかけとなるのかわからないが、現在はリスクをとる局面ではないことは確かではないか。

  • バランスシート圧縮によりドルの流動性は低下し、米国の金融政策は引き締められている。(ようやくFRBは、緩和的というフレーズを今回のFOMCで削除)
  • 金融緩和という負債の先食いのつけを払う必要がある。
  • ドルの流動性低下は、新興国通貨の暴落を招いている。
  • ユーロ圏は、政治的な問題や経済的な問題を抱えており、早晩に解決できる問題ではない。
  • 米中の経済覇権戦争が始まってしまった。

上海総合

トルコリラ

FOMC

米連邦公開市場委員会(FOMC)は25-26日に開いた定例会合で、フェデラルファンドレートの誘導目標を0.25ポイント引き上げ、2.00-2.25%のレンジに設定することを決定した。

ドットチャート(金利予測分布図)によると、年末までの追加利上げを予想したのは12人と、前回予測の8人から大幅に増加し、年末の利上げもほぼ確実。

前回の声明から変わった点は、金融政策について長期にわたり表現してきた「緩和的」という文言の削除。パウエル議長は緩和的な政策に関する文言を削除したことについて、経済指標を考慮しながら漸進的な利上げを進めるという方針の変更を示唆しているわけではないと発言。

経済指標にあらわれる実体経済の悪化は、金融市場の方に先に現れるので、どうしても「経済指標を考慮しながら漸進的な利上げを進めるという方針」は対応が後手になる。

さて、ポジションの評価損はつらいが、どうなっていくのか楽しみでもある。

 

株高、円安。それでも戦略はかわらず。

9月半ばから、日本株がなぞの上昇をしています。中国に対する関税の税率が当初よりも低いということで、織り込み済であったことから、ショートの買戻しを誘発したんだと思います。

しかし先物主導というわけではなく、しっかり現物に買いが入っていることから、大きなクジラ(GPIF)のアロケーションがあったのではないかと思っています。

日経平均

ドル円

米国株式から大きく出遅れていたことや、対中国の関税問題で影響が大きいと思われていたことから、日本株売りのポジションがたまっていたことが、この急激な上昇の燃料となったと思われます。

利上げ停止に向けた戦略

米国利上げ停止に向けた戦略の日本株売り、ドル売りポジションですが、おかげで評価損状態となっています。

まあ、大体において相場の天井が当てられないと思っています。相場の最終局面は、警戒と楽観を繰り返して、投資家の警戒が弛緩していくのが常です。

また、大きな相場の下落の前には大抵、事前に警戒のサインがでます。今回は2月の急落がそれにあたると考えていますが、その急落前の水準まで戻し、安心感が広がってきていると感じます。ジョージソロスも言っているバブル崩壊のプロセスのように思います。

米国の金利水準は、短期金利、超長期金利に遅れていた長期金利も再び3%を超えてきました。関税の影響がでてくる来年は、さらにインフレ圧力が増します。FEDの利上げもスケジュールどおり行われるでしょう。

状況は何も変わっていません。妙に高ぶることなく淡々と日本株の売りを追加していきます。