2月の株式市場の急落後、大きなボックス圏での推移を予想していましたが、3か月経過した現在の状況を確認してみたいと思います。まずは株式市場から
日経225
S&P500
3月23日を底に、2018年度3月期の決算発表をこなし、反発してきた株式市場ですが、ここにきて再度売られる展開となっています。きっかけは、イタリアでの政治不安といわれていますが、個人的には、それは単なる口実で、米国の長期金利が3%を超える水準で推移していたことが原因と考えています。3%超える長期金利の水準は、世界の先進国が超低金利を余儀なくされている状況では、非常に魅力的であるので、何かをきっかけとして株式などのリスク資産から債券へのシフトが起こるわけです。
リスクオフの動きと同時に円高となるのは、円が安全資産であるわけでもなく、世界の通貨でもっとも調達金利が低いために、リスク資産への投資のために円で調達された資金が還流するために円買いが起こると考えた方が自然です。実際にそうした動きが必ず出るわけではないですが、市場参加者がそのように考えるために、”パブロフの犬”のような行動となるのではないでしょうか。
円ドル
さて、現在最も重要な米国長期金利の動きです。
米国国債10年
5月の後半には、3%を大きく超えて推移していた金利ですが、北朝鮮問題、イタリア問題をきっかけとして急落しました。長期金利が3%を超える状況になれば、何かをきっかけとしていつでも急落する状況が続くと思います。
では、今後の金利の見通しですが、次回FOMCでは予想通り利上げが行われると思っています。問題は年何回の利上げになるのかというところでしょう。
ただし、一番金利上昇圧力をかけているのは、バランスシート圧縮の効果だと思います。巨大な引き受け手を失った米国債券の入札は常に金利上昇圧力を加えています。またいずれ金利は3%を超えてくる状況となるのではないでしょうか。
経常赤字国の新興国通貨が暴落するなど、静かに影響がでてきています。株式への投資の警戒を継続します。