トランプ大統領は11月2日、来年2月に任期が切れるイエレン議長の後任に、現在FRBの理事を務めるジェローム・パウエル氏を指名しました。
パウエル氏は過去5年にわたりFRBの理事をしていましたが、議長であるイエレン氏に異を唱えたことはなく、ほとんどイエレン氏の考えと同じであるように思えます。
やはりトランプ大統領は不動産業で成功したとあって、金利というものにすごく敏感であったと思います。実体としては、限りなく現状維持であり、穏やかな金利の引き上げを目指す現在の政策が継続されることになります。
12月FOMC
次回のFOMCにおいて、おそらく利上げが行われることになります。現在、短期金融市場での12月利上げの確率は98%と想定されていますので、織り込み済といえるでしょう。
為替市場は、114円台に戻し、株価は最高値を更新中です。長期金利は、2.3%と依然低い状態が継続しています。トランプ大統領は、タカ派の次期議長案をちらつかせ、パウエル氏をよりハト派に見せる印象操作に成功したのではないでしょうか。
問題は、いつまでこの良好な関係が続くかということだと思います。金融危機後、市場や経済を支えてきた量的緩和を縮小させるわけですから、金利上昇を通じて影響が徐々に出てくると考えています。やはり長期金利の3%超えが危険ラインではないかと想定します。ジャンク債金利や株式の配当利回りとのバランスからは、その水準が上限ではないでしょうか。
当面の戦略
ドル円のロングは、継続保有。株式の警戒も継続したいと思います。はたしてこの景気拡大がいつまで続くのか、長期停滞論の再燃があるのか注目です。