トランプ政権の変容

トランプ政権は、シリアに引き続き、アフガニスタンのISIL拠点にも攻撃を加えました。対北朝鮮でも強硬な姿勢を示し、半島周辺では緊張感が高まっています。これを受けて為替は、円高に推移し、株式は調整色を強める結果となっています。

アメリカファーストを唱えて大統領になったトランプ氏ですが、ここにきて大きく方針を変更しています。比較的容易に通ると思われていたオバマケアの代替法案が、共和党保守派の反対により、一度断念せざる負えなくなりました。共和党保守派の同調を得るために、シリア攻撃に踏み切ったのでしょう。また、イエレンFRB議長に対しては、当選前にさんざん再選はないとまで言っていわわけですが、ここにきて「尊敬している」とまで言い、再選も匂わすようになっています。思ったように経済政策が進まないことから、景気失速を回避するために、FRBには緩和的な姿勢を維持してほしいということなのでしょう。

トランプ大統領の最大の特徴は、こういった臨機応変さ、悪く言えばご都合主義です。これからもこうした変節があることでしょうから、予断をもって考えないことが大事ですね。

さて現状の投資環境は、当初の想定から大きくかい離したわけですが、マクロ戦略は奇跡的に損失を免れています。想定と異なるなる事態となるごとに、その都度ポジションをクローズしていったことが結果的に良かったわけです。あらためて事前に取り決めた通りに行動することの大事さを痛感しています。

今後ですが、最大の焦点は減税策(法人税)が実現するかどうかです。企業のアニマルスピリッツを掻き立てるには一番の方法であり、直接的に企業利益を増価させることが可能であるからです。この政策が実現しないと株式は今の水準を維持できないと思っています。

トランプ大統領は一度断念したオバマケア代替法案に再度取り組むために、減税を後回しにすると発言しました。これは減税の財源を確保する必要があるためですが、一連の変節により、対立している共和党保守派との和解に目途がついたということかもしれません。

であるならば減税の実現可能性があがるわけですが、実現までには時間がよりかかるということですし、緊張の高まっている北朝鮮との関係も見ていく必要があります。

予断を持たずに、キャッシュポジションを高めて事態の推移を丁寧に考察し、戦略の練り直しをして行こうと思っています。

 

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