オバマケア代替法案の延期が示すもの

共和党によるオバマケア代替法案は、23日の採決予定から24日に延期され、さらに24日の採決も見送られました。当然、民主党は大反対。共和党も下院の多数を占めているとはいえ、共和党内でも穏健派と右派と別れており、一筋縄ではいかないようです。

もともとオバマケア(医療改革法案)は無保険者を救うために無理やり、民間の保険会社に加入させるというものです。当然、そんなことをすれば保険料が増大し、割をくう富裕層からは評判が悪くなります。貧困層を救うという大義名分ですが、内容はお粗末なものです。共和党は廃止にしたいわけですが、もとに戻すには「忘れ去られた人々」を無視して無保険者にすることになりますから、撤廃ではなく手直しで対応するのですね。

しかし、共和党にはティーパーティーのような小さな政府を標榜する右派がいますので、この議員たちを説得する必要があるわけです。

さて問題は、このように上下両院で多数を握っていても、共和党政権で「減税・インフラ投資」といったトランプ政権の経済政策が進められるのか?ということです。

こうした疑念から、株式市場は下落し、為替はドル安に動いています。期待で動いてきた分、現実を見るにつけ修正をするということでしょう。

さすがトランプ大統領は、すぐさま次は減税法案だということで市場の期待をつないでいます。減税は共和党の共通理念なのでインフラ投資よりも進めやすいと思いますが、インフラ投資は、多額の予算が必要になるのでオバマケア代替法案よりも困難です。

なかなか危険な状況になってきました。FEDが空気を読まずにバックミラーだけを見て利上げに走り、民主党はとにかく反対と叫び、共和党は分裂したまま、あゆみ寄らないままだと、株式は下げるしかありません。その確率が上がっているように思います。

まだ、マクロ戦略は静観が正解なのですかね。「木を見て森を見ず」戦略で、日本株のロングショートのウエイトを上げて、しのいでいくことにします。

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