2017年3月FOMC

利上げ決定

大方の予想どおりFED(連邦準備制度)はFOMC会合で利上げを決定しました。2008年来で3回目の利上げとなります。

今回に関しては、事前のFEDのタカ派的な態度から、利上げに関しては織り込み済であり、市場は、結果と同時に発表される声明文に注目していました。

結果から言えば企業の投資活動に関していくらか強まったというように変更された程度で、大きくタカ派的になったとは言えませんでした。

ただし、今後の政策金利の予想推移をしましたドットプロットは、今年が3回となっており、変更がありませんでしたが、来年は2回から3回へと変化しよりタカ派的となったといえるでしょう。

一方で市場の反応ですが、米国長期金利は2.6%から2.5%と低下し、円ドルレートも113円台に下落しました。利上げが決定されたにも関わらず、市場は反対の反応を示しました。市場の予想はよりタカ派的なものを予想していたということですね。

昨年末以来、トランプ政権の経済政策を期待して、長期金利は大きく上昇し、円ドルレート、株式も上昇しました。大きく傾いた投資家のポジション調整が、今回の利上げのタイミングで行われたということだと思います。

トランプ政権の経済政策は間に合うのか?

FEDのトッドプロットに示されているように年内に2回の利上げが行なわれた場合、金利の上昇はどのような影響を経済に与えるでしょうか。

前期に金利上昇の影響で駆け込み需要が見られた住宅投資や、減速気味の自動車販売など、ローン金利の上昇を通じてマイナスの影響を与えると思います。

今後、ドル高がさらに進めば輸出もさらに鈍ることになるでしょう。これらを相殺させるのは、トランプ政策の目玉である減税と財政支出であるわけですが、想定よりも進捗していないと思われます。議会での決定事項ですので、大統領令のようにはいかないようですね。

これらの政策が進展しないまま、金利上昇の悪影響がでるような事態となれば、株式は調整せざるを得ないと思います。期待だけで株価が維持できるのは、それほど長い期間ではないでしょうね。

減税・財政出動の政策進展を期待するには、少しリスクがあるのではないでしょうか。今は静観しながら、政策が動き出すタイミングと円ドルレート、株式の水準を見ながら、エントリーのタイミングを探りたいと思います。